耳鼻咽喉科で診察する「めまい」

めまいは、平衡感覚をつかさどるさまざまな器官の障害で起こり、治療する診療科も耳鼻咽喉科をはじめ脳神経外科や神経内科、内科、心療内科、婦人科とさまざまですが、めまいの患者さんの約6割が耳鼻咽喉科で診察する「内耳性めまい」といわれています。
ここでは、主に耳鼻咽喉科で診察する「めまい」の病気について説明します。

突発性難聴

~突然の難聴とともに起こる回転性めまい~

ある日突然、とくに原因なく片側の耳がほとんど聞こえなくなる突発性難聴に、ときに回転性めまいを伴います。
突発性難聴は、治療開始のタイミングを逃すと聴力の改善が期待できなくなるため、早急に受診することが大切です。



原因

突発性難聴がなぜ起こるのかは確定していませんが、ウイルスが内耳に感染することで聴覚をつかさどる部位と体の平衡感覚をつかさどる部位に障害を起こすというウイルス感染説、内耳の血液循環が悪くなり、内耳の機能が低下するという内耳循環障害説の2つが有力です。
いずれにしても、ストレスや過労で免疫力が低下するとウイルスに感染したり、内耳の血流障害が起こったりすると考えられています。

主な検査

問診

難聴が起こった時の前後の様子や難聴以外の症状、具体的には、
①難聴が起きた時の様子や健康状態、持病の有無
②耳鳴り、めまいの有無と状態、それが起きたタイミング
③手足のしびれや意識障害の有無
などです。



聴力検査

ヘッドホンをつけて低い音から高い音まで、どの程度の大きさの音が聞こえるかの純音聴力検査などを行い、高度の感音難聴であることを確認します。



平衡機能検査

どのように体のバランスが失われてめまいが起きているのかを確認することで、内耳に障害があるのか、それ以外の原因なのかを確認します。



眼振(がんしん)検査

難聴の起こった際にめまいを感じていなくても、内耳に障害があれば眼球に特有の動き(眼振)が現われます。
そのほか、中耳炎や聴神経腫瘍がないかなどを確かめ、難聴を引き起こす明らかな他の原因が見つからない場合に、突発性難聴と最終診断されます。

一般的な治療

安静

突発性難聴では、ストレスや過労をなくすために安静が必要とされます。



薬物療法

難聴が高度な場合は、ステロイド薬を使用します。
ステロイド薬は、最初に多量に投与し、徐々に量を減らしていく漸減療法がとられます。
その他、血液の循環を改善する循環改善薬や代謝改善薬、ビタミン薬も一緒に処方されます。
ステロイド薬の点滴治療を行う場合は、総合病院へ紹介させて頂きます。



安静にしている女性

心がけること

突発性難聴は、発症後1週間以内に治療を始めれば完治する場合もあります。
一方、軽度の難聴であっても治療をしないと症状がそのまま残ってしまうこともあります。
そこで、突然の難聴や耳鳴り、めまいが起こった場合は、たとえ症状が軽度でも早期に耳鼻咽喉科医の診察を受けることが大切です。




その他の耳鼻咽喉科的な「めまい」


その他に、稀に見られる耳鼻咽喉科的な「めまい」として、中耳炎が進行して生じる「めまい」や、内耳の中のリンパ液が漏れ出る「外リンパ瘻」、聞こえや平衡機能を司る神経に聴神経に腫瘍が生じる「聴神経腫瘍」などがあります。

めまい